わせログ。

早稲田大学に通う若僧のブログ。ちょっとした「知りたい」をやんわり解説していきます。twitter@WASE_LOG

公立中学について

こんにちは、ゆうじろうです。

 

先日、大学の同級生と話していた中で大きなカルチャーショックを受けたので少しご紹介させて下さい。

 

僕の通う早稲田大学、他大学との比較をしたわけではありませんが、まあ私立中学出身者が多いわけです。内部進学制度があり、また国公立大学に比べ費用のかかる私立大学であるために、ある意味当然なのかもしれません。附属校である早稲田高等学院、系属校である早稲田実業早稲田中学校はもちろんのこと、かの有名な開成高校などの私立中学出身者によく遭います。話を聞いてみると、僕の持つ中学校イメージとは大きく異なり、正直驚きました。具体的には、同級生がほとんど大学(早稲田大)に通っている、両親が大学を卒業している…といったことです。僕と彼らは全然違う世界を生きてきたんだな、と感じました。もちろん、今ここでどちらが優れているか!なんて議論がしたい訳ではありません。いい機会なので、少し自身の公立中学時代を思い返し、公立中学について考えてみようと思います。

 

僕の通っていた中学は、学年120人ほどの割と小規模な公立中学でした。近隣の2,3の小学校からそのまま集まるといった感じです。一言で言い表すとするならば、まさに「社会の縮図」といったところでしょうか。事実、色々な生徒がいました。もちろん多くは普通の生徒ですが、中には医者の息子や住職の息子、タトゥーの彫り師の娘なんかもいた記憶があります。また、公立中学らしいエピソードとして、学年の15人ほどがタバコを吸っていました。これがバレて、なぜか無関係な僕たちも説教された学年集会が思い出されます。教師についても、色々と思い出されることがあります。まず、僕の中学の教師は総じて塾に通っている生徒を好まない傾向にありました。「もうお前は塾でこの内容やったんだろ」とか、もっとひどい場合には「どうせ塾の先生のが分かりやすいと思ってるんだろ」と言われました。もちろん教師として自身の授業から学んで欲しいと思う気持ちは理解できますが、いま考えてもこの発言には呆れてしまいます。私立中学や東京の公立中学の場合はどうなのでしょうか?よかったら教えて下さい。また、体罰が問題視される前だったこともありますが、体罰を目にすることがしばしばありました。幸いにも自分は被害者になりませんでしたが、叩く・蹴るといった行為を頻繁に見た記憶があります。先に述べたようにヤンキー的生徒がいたために一部しょうがないかもしれませんが、中学ごとに教員を採用している私立中学ならこのようなことはないのかな、と思いました。

次に進路に関して。まず進学したのがそもそも半分ほどです。大学の私立中学出身の友達に伝わるのは、京都大学1人、旧帝国大学2人、早稲田大学1人といったところでしょうか。少な!と彼らには言われましたが、僕の中学にしては例年より健闘した結果だったはずです。おそらく国公立大学進学者が上の3人を含め15人ほど、私立大学進学者が30人ほどだったと思います。私立大学といっても、多くは県内です。東京の私立大学に進んだ同級生は、僕を含めて3人しか知りません。残りの進学者は、専門学校や短大です。彼女たちは今年からホテルや空港、保育園で働いており、来年には何人かが看護師となるようです。一方で、残りの半分の同級生は現在社会人として働いています。これが、大学の同級生に1番驚かれました。彼らの同級生はみな大学生なのですから、驚くのも当然でしょう。社会人の同級生たちの仕事は、主に男子が工場勤務、女子が事務職です。特に男子に関しては、有名メーカーの工場から聞いたこともない企業の工場まで様々です。昨年、有名メーカーの工場で働く小学校時代からの同級生とごはんに行きましたが、手取り20万円ほどと教えてくれました。当時はその具合がいまいちわかりませんでしたが、三菱商事の初任給が20万強?だと考えると、十分に高給ではないでしょうか?加えて、社会人になった同級生の中にはホストやキャバクラ嬢になった人もいると聞きました。成人式で会ったのでその理由を聞いてみると、「お金が欲しい」とのことでした。ちなみに、余談ですが1つ下の女の子は、デリヘル嬢になったそうです。以上が、大まかな同級生たちの進路です。

 

さて、これを読んだ方はどんな感想を抱いたでしょうか。自分の中学と似ていると共感を覚えた方、こんな世界があるのかと驚いた方。きっと様々なことでしょう。振り返ってみて、僕が感じたことを少し話させて下さい。

 

 まず、僕自身が公立中学出身であったことに対し、少なくともその経験が悪かったと断言することはできないなということです。漠然とはしていますが、その生徒の多様性から社会には色々な人がいるのだな、と知れたことは本当に良かったと思っています。もし私立中学に進学していたら、自分とは色んな意味でかけ離れた人に対し今ほど寛容ではなかったかもしれません。もちろん私立中学出身者がみな寛容でないなどと言うつもりは当然ありません。しかし、大学に入学し、非大学進学者などを軽視するような私立中学出身者に出会ったのも事実です。学歴こそないかもしれませんが、尊敬したいと思える中学時代の友達が僕にはいます。一方で、私立中学に行っていたら、と思う気持ちが生まれないわけではありません。誤解を恐れずに言えば、大学に入学し(これは高校にも当てはまりますが)、自分と同じ学力水準の人と話すことに経験したことのない心地よさ、楽しさを感じました。(生意気ながら)同級生をどこか年齢相応に成熟していないなと感じていた中学時代を私立中学で過ごしていたら、もっと楽しく、かつ成長できていたのではと思います。事実、この1月に成人式で久しぶりに中学の同級生たちと再会しましたが、年齢を重ねたこともあり会話が嚙み合わないのを一層感じました。バカみたいな笑い話は誰としても楽しいですが、僕にとって同様に楽しいのは、女や車やギャンブルの話ではなく、政治や経済やビジネスの話だったのです。もちろん、双方向的に彼らも逆のことを感じていたとは思いますが。ただ、1つ留意しないといけないなと思うことは、地方と東京の公立中学はその性質が違うということです。地方の場合、私立中学という選択肢がない(もしくは少ない)ためにほぼ全ての学生が公立中学に集まります。そのため、前述のような多様性が生まれ、優秀な生徒からヤンキーまで存在するのです。東大生などが出るのも納得でしょう。一方で、東京の場合はどうでしょうか。優秀な生徒は中学受験をしてしまうがために、公立中学の多様性は薄まり、結果として学力水準が低下してしまうと考えられます。もちろん東京の公立中学に優秀な生徒がいないという意味ではなく、あくまで平均学力水準の話です。この事実を考慮すると、東京の教育熱心な親が子どもを私立中学に入学させたいと思うのも頷けます。優秀な同級生に囲まれて勉強させたいと思うと共に、変な同級生に悪く感化されて欲しくないと思うのは当然だからです。

 最後に、地方公立中学の現実から教育について少しだけ考えてみたいと思います。まずは少しだけ、僕と両親についてお話しさせて下さい。僕の両親は、4年制大学を卒業していません。父は工業高校を卒業、高校時代にも奨学金を借りていました。祖母に聞きましたが、父は国立大学に行けるほどの学力はあったものの、家計を考えて工業高校、就職の道を選んだそうです。自分が大学に行けなかったから、息子である僕を大学に行かせてあげたいと育ててくれたんだと思います。また、母も短大出身です。同様に大学を卒業していない母の両親が、金銭的に苦しいにも関わらず、母の兄を旧帝国大学に進学させる姿を見て、幼少期から僕に熱心に教育をしてくれました。おかげ様で、僕はいま早稲田大学に通うことができています。本来は国立大学に進むつもりでしたが、落ちてしまい、金銭的な負担を考えると頭が上がりません。両親には、本当に感謝をしています。一方で、僕のような家庭はレアなんだと、中学、大学でそれぞれ感じました。まず中学では、教育熱心ではない家庭が多数存在するということを知りました。大前提として、地方公立中学に子どもが通う家庭において、大学進学は既定コースではありません。この事実は、中学受験家庭には考えられないものでしょう。この教育熱心でないという事実には2つのパターンがあります。1つは裕福ではないために、大学進学という選択肢を検討したくてもできないパターン。進学を諦めなければいけない子どもも、諦めさせざるを得ない親も辛くないはずがありません。片親などの理由から、大学進学を諦める同級生を実際に見てきました。もう1つは、親の頭にそもそも大学進学の選択肢がないパターン。前者と違い、諦めるということがないために辛さはないかもしれませんが、子どもにそもそも大学進学の検討機会がないというのは憂うべきことではないでしょうか。次に大学では、東京には裕福な家庭がたくさんあり、多くの子どもが中学受験が当たり前ということを知りました。大学進学が規定コースであり、その逆算の結果としての中学受験など僕の地元ではほとんど考えられません。お金や環境でここまで生きる世界は変わるのか、と両方の現実を見て感じました。今、中学時代を振り返り終えて思うのは、もっとこの現実を多くの人が知るべきだ、ということです。中学受験経験者とその両親へ。どうか色々な理由で大学進学ができない人がいることを理解し、自分たちがいかに恵まれているかを理解して下さい。公立中学に通う生徒とその両親へ。どうか進学という選択肢の存在を知り、真剣に考えてみてください。そして、もし色々な理由で叶わなかったとしても、決して自分たちを卑下しないでください。加えて、この文章を読んでくれた人へ。教育に関するこの現状を理解し、各人が教育について考えてみて下さい。制度を変えるのは国家でも、国家を動かすのは国民の意思だと思います。最後に、両親へ。改めてになるけれど、大学進学が当たり前ではない地方公立中学にいながら、自らが大学進学をしていないにも関わらず、幼少期から熱心に教育し、大学に入学させてくれて、ありがとう。

 

 ここまで読んで頂きありがとうございました。稚拙な文章で、あまり整理して話すことはできませんでしたが、自らにとっても考えさせられる時間になりました。しかし、これは一例にすぎず、公立私立を問わず他の中学がどの様であるのかは分かりません。比較ができないために、失礼なことや見当違いなことを書いている可能性もあるでしょう。これを読んでくださった皆様がどんなことを感じられたのか、批判やご指摘でも構いません。色々な方の考えを知ることができたら嬉しいな、と思います。

自己紹介

はじめまして、ゆうじろうです。

 

【自己紹介】

早稲田大学に在学、現在20歳

・地方出身、一人暮らしに奮闘中

・趣味は、野球観戦と食べログ閲覧

 

【ブログ開設のきっかけ】

「あれ?実は俺、知らないことばっかじゃね?」

20歳になり、実は自分が中々に無知だと知りました。笑

簡単なことでもいいんです、知らないことを理解していくそんなブログにできたらと思います!

同時に、日々の思ったことについても書いていければ。

 

以上、よろしくお願いします!